海事代理士になろう


第十章 登録

1 準備

登録は住所地を管轄する地方運輸局で行います。
必要な書類は次の通りです。

1 海事代理士登録申請書
2 合格証書の写し
3 戸籍抄本
4 登記されていないことの証明書(後見登記に関する法律第10条第1項に規定する登記事項証明書)
5 宣誓書
6 30000円分の収入印紙
7 業務に使用する印章

1の申請書はこんな用紙です。



関東運輸局では直筆である必要はありません。
ネットで落としてPC使って文字入れしてもいい。
ただ、運輸局によって違うらしいので各々確認して下さいね。

3の戸籍抄本は最近のものなら問題ないようです。
が、北海道運輸局では合格発表後で登録申請前のものしか受け付けないそうで。
これも地方によってルールが異なるようです。

4の登記されていないことの証明書とは、成年被後見人又は被保佐人でないことを証明する文書です。

○登記されていないことの証明書とは○

認知症、知的障害等により判断能力の不十分な方々は、
不動産や預貯金などの財産を管理することが難しかったり、
悪徳商法の被害に遭うおそれがあります。
このような方々の権利を保護し、支援するために成年後見制度があります。
この制度には、家庭裁判所で、本人やご家族等の申し立てによって、
判断能力の程度に応じて成年後見人・補佐人・補助人が選任されるものと、
本人があらかじめ公証人の作成する公正証書により任意後見契約を結んでおくものがあり、
家庭裁判所で後見人等が選任された場合、その内容が、
東京法務局後見登録課の後見登記等ファイルに登記されます。
「登記されていないことの証明書」は、この後見登記等ファイルに登記されていないことを証明するもので、
あなたに成年後見人等が選任されていないことを証明するものです。




このテンプレで申請します。
最寄の登記所でOK。



するとこんなのがもらえます。
なかなか見る機会はないなー。

5の宣誓書にはこのひな形を使います。



これも直筆である必要はありません。
が、運輸局によって異なるらしいので各々確認して下さい。
1の申請書も5の宣誓書も押印は三文判で大丈夫です。

7はいわゆる職印です。
関東運輸局ではシャチハタ以外で24mm以内なら何でもOK。
が、運輸局によっては18mm以内を推奨するそうで。
なんかもうバラバラ(笑)


2 申請

申請は郵送で行うことができません。
よって運輸局へと足を運ぶことになります。



ある冬の日、横浜第二合同庁舎に行ってきました。
筆記試験の会場でもある関東運輸局です。
警備の方に海事代理士の登録であることを告げると入館証が貸与されます。



海事代理士試験を所掌する海事振興部は16階にあります。
暗く寒い館内を移動。



この奥に海事代理士を所掌する海事振興部があります。
ノックをして中に入り、海事代理士の登録であることを告げます。
すると左手のデスクで仕事をしている女性がすぐに対応してくれます。
必要書類を手渡すと何かをゴソゴソと探し始めます。
海事代理士名簿ですね。
30000円分の収入印紙を貼り、職印を押して申請手続は終わります。
まー呆気ない。
2分とかかりません。

さあ、これで晴れて私も海事代理士です。
法律家のはしくれ。
この仕事を生活の糧とすることはないでしょうが、どこか晴れがましい気分です。



いい1日でした。


3 通知

程なく登録がなされた旨の通知が届きます。
長3の茶封筒&普通郵便で。



安定のわら半紙です。
これまた驚くような早さですよ。
私の場合は翌々日でした。



こんな紙も入ってます。
しっかりやれよ、ってことでしょうか。


4 最後に

さあ、いかがでしたか。
海事代理士、なってみたくなったでしょ?
合格率40%という見た目の数字ほど簡単ではありませんが、法律系国家資格の中ではかなり易しい部類です。
宅建以上行政書士以下、といったところでしょうか。
それでも登録免許税額3万円の、重い責務のある業務独占資格です。
取得する価値は十分。
我が国の法に触れる絶好の機会ともなります。
日本人なのに憲法も民法も港則法もトン数法も知らないなんてとても恥ずかしいこと。
この頁を見てくれたみなさんが1人でも多く法に触れ、お仲間となってくれることを祈っています。
いや、別に私にメリットは何もありませんが。

この企画の構想は受験前からありました。
厳密には、受験を決意する前からありました。
当サイトでは船に関する記事が増えています。
その到達点として海事代理士になることを決意したのが昨年7月。
学習を開始したのが同年9月。
実にせわしない日々でした。
今にして思えばなぜ小型船舶1級じゃなかったのか。
あっちのほうが格好いいし、4日もあれば合格できる。
そんなふうに考えたこともあります。
でも、やってよかったと今では思います。
仕事との兼ね合いが難しかったけど、楽しかったもん。
学生のころに帰ったようでした。

そんなわけで、この企画は終了です。
次はどんなムダなことしよーかなー。


JK


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