危険物取扱者になろう


第一章 危険物取扱者とは

1 危険物取扱者という仕事

危険物取扱者とは危険物(気体除く)を扱う業務に必要な資格で、wikiでは次のように記しています。

危険物取扱者は、消防法に基づく危険物を取り扱ったり、
その取扱いに立ち会うために必要となる日本の国家資格である。

また、消防法第十三条では次のように規定しています。

政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、
甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者で、六月以上危険物取扱いの実務経験を有するもののうちから、
危険物保安監督者を定め、命令で定めるところにより、
その者が取り扱うことができる危険物の取扱作業に関して保安の監督をさせなければならない。

この危険物取扱者は取り扱うことができる危険物の種類に応じて次のように分類されています。

甲種危険物取扱者:全類の危険物
乙種危険物取扱者:指定の類の危険物(1類〜6類)
丙種危険物取扱者:特定の危険物(ガソリン、灯油、軽油、重油等)

ウルトラマンで例えると、甲種がウルトラの父、乙種がウルトラ兄弟、
丙種がウルトラ警備隊みたいな感じでしょうか。


2 危険物取扱者資格取得のメリット

では、この危険物取扱者資格を取得するメリットは何でしょうか。

まず、ガソリンスタンドに勤務できます。
なくてもいいですけど。
持っていれば時給が50円くらいアップします。
いちばん簡単な丙種でもいいですが、セルフスタンドの夜勤をワンオペで行なうには乙種4類が必須です。
もちろん甲種のほうが威張れますが、それで役職や時給がアップするわけではありません。
ぶっちゃけ無用の長物です。
乙種4類、通称乙4さえあればスタンド勤務など余裕のよっちゃんなのです。

以上です。
他には特にありません。
たまにホムセンで求人がありますが、あれはスタンド勤務と同じで灯油を売る係です。
つまり、危険物取扱者のほとんどが灯油を売る係なのです。
求職の場面で武器となる資格ではありません。
まだ簿記2級のほうがマシ。
でも、それでも毎年25万人の受験生を集める超人気資格!
なぜでしょう。
それはひとえにマニア心を擽るからなんです。
つまり、免状をフルビットしたい、コンプリートしたい。
だってこんなのヤでしょ?



空いてるとこ埋めたいでしょ?
埋めないと気持ち悪いでしょ?
そんなアホな受験生が毎年延べ8000人もいるわけです。


3 危険物取扱者試験の概要

ここでは試験の概要について記します。

【願書配布】
各都道府県の消防試験研究センター
電子申請あり(複数受験除く)

【出願期間】
都道府県により異なる

※東京では乙4が年40回、乙12356が7回、甲が5回、丙が4回ですが、
 大阪や福岡といった大都市でも年4〜10回くらいしかありません。
 詳しくはこちらをどうぞ。
  https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/schedule_first.html
  https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/schedule_laiter.html

【試験日程】
都道府県により異なる

【受験資格】
甲種:あり(詳細は後述)
乙種:なし
丙種:なし

【試験形式】
甲種(5肢択一/150分)
 法      令:15問
 物理化学:10問
 性質消火:20問
乙種(5肢択一/120分)
 法      令:15問
 物理化学:10問
 性質消火:10問
丙種(4肢択一/75分)
 法      令:10問
 燃焼消火:5問
 性質消火:10問

【試験手数料】
甲種:6600円
乙種:4600円
丙種:3700円

【合格基準】
各科目6割以上

【実施状況(令和元年)】
甲種
 受験者数:13516人
 合格者数:5357人
 合 格 率:39.6%
乙種
 受験者数:200553人
 合格者数:89603人
 合 格 率:44.7%
丙種
 受験者数:19237人
 合格者数:9802人
 合 格 率:51.0%

【免状発行費用】
種類ごとに2900円+実費

※2020年現在


4 さあ、挑戦しよう

さあ、どうでしょう。
その気になってきましたか?
この試験はちゃんと準備すれば誰にでも合格することができます。
頭のいい人なら数日、ふつうの人なら2週間、バカでも1ヶ月あれば大丈夫。
次頁ではその勉強法について説明します。


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